みなさまこんにちは、甲斐日向です。
中級者〜有段者を対象にしている春期講習にて、講義やテストをどういった意図で作ったのかをお話しさせていただきます。
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講義
「攻めを組み立てる技術」
決め手をイメージしてから布陣を作る考え方を知って欲しかったので作りました。
強い駒が働いてないのでしっかり使って攻めていくといった部分的な攻めの方針も大切ですが、それよりもっと大きな考え方です。
ほとんどの定跡は攻めが決まる形をベースにその周辺の手が研究されたものですので、攻めの組み立ては将棋の本質的な技術の1つです。
テスト
「勝ちに行くタイミング」
終盤の攻めか受けの2択の問題で、スッキリと読みきれないような局面で考えるテストです。
簡単に解けない局面を時間をかけて考える経験を積む目的で、棋力の測定は二の次です。
回答時間を20分で行うか30分か、いつも迷います。(後半に終わって時が経つのを待ってるだけの生徒もいるため)
でも、8問で30分、1局面4分も考えられないようじゃまずいな・・・と思って例年通り30分で実施。
後半10分は書き終わってぼーっとしてる生徒に「もっとよく読みなさい」とはっぱをかけてました(笑)
指導対局
アンケートのお声を参考に、春期講習では私が指導対局をたくさんしました。
今回じっくり指してみて
「みんな実力あるのに知識が少なくてもったいない!」
と気がつきました。
将棋には「棋理」というものがあります。これは詰将棋が早い、手筋をいっぱい知ってるなどとは別のものです。
・この戦法は3筋を攻める方針だから、9筋からも手を付けたらおかしなことになる
・この駒組みは「▲○○△○○▲○○」という攻めの手順がセットで、どのタイミングで行くかの問題。
「」を知らずに指していたらいつまでも成功図にならない
といった具合です。
この強さでその手が出るってことは、あの理屈が定着してないんだな、と気づくことが多々あり、それを教えることが自分の仕事だと当たり前ながら再認識しました。
上記に気がつきどんなアドバイスをするかの判断は、僭越ながら経験によるものが大きく、棋士、現役奨励会かというものとは全く別の話になります。
今後は将棋指導に相当の時間を割いている講師、現在も将棋指導を本業でやっている講師を中心にお呼びすると思います。
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以上、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
ここまで読んでいただけた皆さんなら子供の将棋指導にかなりの情熱があるということで講師を選ぶ時の私の持論をひとつ
得意戦法がB級戦法の講師は避けよ
です。
子供がB級戦法に興味を持って一時期のめり込むのは全然良いのですが、本筋を教えられない講師についてしまうのはあまりよくないです。
もちろん優しさや誠実さ、子供との相性、実際に子供に使ってくれる時間、といったもっと大切な要素はたくさんあるのでご参考までに。
B級戦法 例
嬉野流、かまいたち、アヒル
本筋の戦法 例
振り飛車穴熊、横歩取り、角交換振り飛車、エルモ囲い、ひねり飛車、右玉、立石流
中飛車や三間飛車、角換わりなどはもちろん本筋の戦法です。
KAI将棋教室 代表取締役
甲斐日向
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